保険業法・保険法をわかりやすく解説!クーリング・オフ制度とは
保険に加入する際に、消費者を保護するための法律として「保険業法」と「保険法」があります。
この記事では、保険業法の目的から、禁止行為、クーリング・オフ制度まで、重要なポイントをわかりやすく解説します。
1. 保険業法
(1) 保険業法の目的
保険業法とは、保険会社がきちんと運営され、保険の販売が公正に行われるようにすることで、保険に加入する人を守るための法律です。これにより、国民生活の安定と経済の健全な発展を目指しています。
(2) 保険業法の主な規制
① 契約締結・保険募集に関する一定の禁止行為(保険業法300条)
保険募集に際して以下の行為を禁止しています。
- 虚偽の説明・重要事項の不告知
- 不実告知を勧める行為
- 告知妨害・不告知を勧める行為
- 不当な乗換え募集
- 特別利益の提供
- 不当な比較表示
- 将来の金額が不確実な事項に係る不当表示
- 保険会社の特定関係者による特別利益の提供
- 保険契約者等の保護に欠けるおそれのある行為
② 意向把握義務と情報提供義務(保険業法294条)
2016年5月に施行された改正保険業法において、保険会社等に対して保険募集に際しての意向把握義務と情報提供義務が義務付けられました。
ただし、保険期間が(1ヶ月以内)で、負担する保険料の額が極めて少額(1,000円以下)の場合、この義務は適用除外となります。
意向把握義務
保険募集に際して、顧客の意向の把握とニーズに合った保険プランを提案し説明等を行う義務のこと
情報提供義務
保険募集に際して、契約者や被保険者に対して保険契約の内容や、参考となる情報(「契約概要」や「注意喚起情報」※)の提供を行う義務
※本来は「契約概要」と「注意喚起情報」を別々に提供する必要がありますが、これらをまとめて「契約情報」という名称で提供することも認められています。
③ 乗合代理店における推奨販売・比較説明
乗合代理店(複数の保険会社の商品を扱う代理店)は、お客様に生命保険商品を提案する際、以下の説明を行う必要があります。
- 取り扱っている同じような保険商品の比較・概要
- なぜその商品をおすすめするのか(推奨理由)
2. クーリング・オフ制度(保険業法309条)
保険に申し込んだ後でも、8日以内であれば契約を取り消す(クーリング・オフ)ことができます。
8日間の数え方:
次の2つの日のうち、遅い方の日を1日目として数えます。
- 保険の申込みをした日
- クーリング・オフの説明書類を受け取った日
例:4月1日に申込み、4月3日に書類を受け取った場合 → 4月3日から8日以内(4月10日まで)にクーリング・オフが可能
ただし、以下の場合にはクーリング・オフはできません。
クーリング・オフができないケース
- 医師の診査が終了した申込み
- 営業・事業のための申込み(法人契約等)
- 保険期間1年以内の保険の申込み
- 自賠責保険など強制保険の申込み
- 団体信用生命保険など債務履行を担保する保険の申込み
- 申込者の保護に欠けるおそれのない申込み(申込者が不利益を受ける心配がない申込み)
- 既契約に特約を中途付加した場合や更新・中途増額・復活の場合(契約転換は新規契約と同様にクーリング・オフの対象)
- 申込者等が、保険業者に対し、あらかじめ日を通知してその営業所等を訪問し、かつ、当該通知し、または訪問した際に自己の訪問が保険契約の申込みをするためのものであることを明らかにした上で、当該営業所等において当該保険契約の申込みをした場合(申込者が保険会社に事前に連絡した上で、「保険の申込みをしたい」と明確に伝えて営業所を訪問しその場で申し込んだ場合)
- 申込者等が、自ら指定した場所(当該申込者等の居宅を除く)において契約申込みをすることを請求して契約の申込みをした場合
- 郵便やFAX等の方法で契約申込みをした場合
- 保険業者等の預金口座振込等により保険料等を払い込んだ場合(保険募集を行う業者等に委託する場合を除く)
ポイント!
- クーリング・オフ期間は原則8日以内です。
- 医師の診査が終了した申込みや、法人契約、保険期間1年以内の保険などはクーリング・オフできません。
- 契約転換は新規契約と同様にクーリング・オフの対象となります。
- 特約の中途付加、更新、中途増額、復活の場合はクーリング・オフできません。
クーリング・オフができる場合とできない場合の比較
| クーリング・オフができる | クーリング・オフができない |
|---|---|
| 医師の診査が終了していない申込み | 医師の診査が終了した申込み |
| 個人契約 | 営業・事業のための申込み(法人契約等) |
| 保険期間1年超の保険 | 保険期間1年以内の保険 |
| 任意保険 | 自賠責保険など強制保険 |
| 新規契約 | 特約の中途付加、更新、中途増額、復活 |
| 契約転換(新規契約と同様) | – |
まとめ
保険業法のポイント
- 保険業法は、保険会社等の健全な運営と保険募集の公正を確保し、保険契約者等を保護するための法律です。
- 保険募集に際して、虚偽の説明や不当な乗換え募集などの禁止行為が定められています。
- 2016年の改正により、意向把握義務と情報提供義務が義務付けられました。
- クーリング・オフ制度により、原則8日以内であれば契約の申込みを撤回できます。
- ただし、医師の診査が終了した申込みや法人契約、保険期間1年以内の保険などはクーリング・オフできません。
- 契約転換は新規契約と同様にクーリング・オフの対象となります。
保険業法は、消費者を保護するための重要な法律です。この記事を参考に、保険加入時の権利や注意点を理解しておきましょう。

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