利子所得とは?

利子所得を理解する – 預貯金や債券の利子にかかる税金

預貯金の利子や債券の利子など、私たちの身近な金融商品から得られる「利子所得」。この記事では、利子所得とは何か、どのように税金がかかるのかを、わかりやすく解説します。

1. 利子所得とは?

利子所得とは、一言でいうと「お金を貸してあげることで得られるお礼」のようなものです。銀行にお金を預けたり、国や企業にお金を貸したりすると、その見返りとして利子(利息)がもらえます。この利子が「利子所得」として課税の対象になります。

利子所得に含まれるもの

具体的には、以下のようなものが利子所得にあたります。

種類 説明
預貯金の利子 銀行や郵便局にお金を預けていると、年に数回、利子(利息)がもらえます。これが最も身近な利子所得です。

例:普通預金、定期預金、ゆうちょ銀行の貯金など
公社債の利子 国が発行する「国債」や、地方自治体が発行する「地方債」、会社が発行する「社債」などを買うと、定期的にお金がもらえます。これも利子所得です。

例:国債、地方債、社債など
公社債投資信託の
収益分配金
国債や社債などを集めて運用する投資信託から得られる分配金も、利子所得に含まれます。

例:MRF(マネー・リザーブ・ファンド)、公社債投資信託など

2. 利子所得の金額はどう計算する?

利子所得の計算は非常にシンプルです。株式投資のように、売買手数料などの必要経費を差し引くことはできません。

利子所得の金額 = 収入金額(もらった利子の額面)

つまり、受け取った利子の全額が、そのまま課税対象となります。

注意:株の配当所得とは異なり、利子所得には必要経費が認められていません。例えば、債券を買うために銀行から借りたお金の利子があっても、それを差し引くことはできません。

3. 利子所得の税金はどうなる?

利子所得の税金のかかり方(課税方法)は、その種類によって異なります。基本的には、利子を受け取る時点で税金が自動的に天引きされる「源泉徴収」という仕組みが取られています。

税率:所得税(復興特別所得税を含む)15.315% + 住民税5% = 合計20.315%

課税方法の3つのパターン

課税方法 特徴
源泉分離課税 利子を受け取る時点で税金が天引きされ、それだけで納税が完了するという最もシンプルな方法です。

確定申告をする必要はありません。

対象:預貯金の利子、一般公社債の利子など
申告分離課税 利子を受け取る時点で税金が天引きされますが、確定申告をすることも選べる方法です。

確定申告をすることで、株式投資の損失と損益通算(相殺)して、払いすぎた税金を取り戻すことができます。利益が出ている場合は、申告不要制度を使えば確定申告をしなくてもOKです。

対象:特定公社債(国債、地方債、公募公社債など)の利子、公募公社債投資信託の収益分配金
総合課税 給与所得など他の所得と合算して税金を計算する方法です。源泉徴収されずに受け取るため、必ず確定申告が必要になります。

総合課税の場合、他の所得と合算した金額に応じて税率が変わります(累進課税:5%〜45%)。

対象:日本国外の銀行で受け取る預金の利子、同族会社が発行した社債の利子(一定の株主や親族が受け取る場合)など

4. 利子の種類別の課税方法

利子所得の課税方法を、利子の種類ごとに整理してみましょう。

利子の種類 課税方法 確定申告 税率
預貯金の利子 源泉分離課税 不要 20.315%
特定公社債等の利子
(国債、地方債、
公募公社債など)
申告分離課税 選択可
(申告不要も可)
20.315%
一般公社債等の利子 源泉分離課税 不要 20.315%
国外の預金利子
同族会社の社債利子
(一定の場合)
総合課税 必要 累進課税
(5%〜45%)
特定公社債等とは?
国債、地方債、公募公社債、公募公社債投資信託などのことを指します。これらは申告分離課税の対象となり、確定申告をすることで株式投資の損失と損益通算できるメリットがあります。

5. 確定申告をした方がいい場合は?

特定公社債の利子は、申告分離課税の対象となるため、確定申告をするかどうかを選ぶことができます。では、どんな場合に確定申告をした方がいいのでしょうか?

確定申告をするメリット

ケース1:株式投資で損失が出ている場合

株式投資で100万円の損失が出て、国債の利子で10万円の利益(利子所得)があった場合、確定申告をすることで損益通算ができます。

・利子所得10万円 − 株式損失100万円 = −90万円
・利子所得にかかった税金(10万円 × 20.315% = 約2万円)が還付されます。
ケース2:他の所得が少ない場合

給与所得などの他の所得が少なく、総合課税で計算した方が税率が低くなる場合は、総合課税を選択することで税負担を軽減できる可能性があります。

ただし、利子所得は基本的に源泉分離課税または申告分離課税が適用されるため、総合課税を選択できるのは限られたケースです。

確定申告をしない方がいい場合

利子所得だけで他に損失がない場合や、すでに源泉徴収で納税が完了している場合は、確定申告をする必要はありません。申告不要制度を利用すれば、手間をかけずに済みます。

まとめ

利子所得は、預貯金や債券などから得られる利子による所得です。税金は基本的に受け取り時に自動的に天引きされ、多くの場合は確定申告をする必要がありません。

ただし、特定公社債の利子については、確定申告をすることで株式投資の損失と損益通算できるメリットがあります。ご自身の投資状況に応じて、確定申告をするかどうかを判断しましょう。

利子所得の課税方法を正しく理解することで、無駄な税金を払わずに済み、賢く資産運用ができるようになります。

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