株式の取引をするにあたり知っておくこと

日本の証券取引所を理解する – 株式投資の基礎知識

株式を取引する際には、まず証券取引所の仕組みを理解することが重要です。この記事では、日本国内の証券取引所の構造と、それぞれの証券取引所の市場区分について、わかりやすく解説します。

1. 証券取引所とは

日本の証券取引所

国内で株式売買が行われている証券取引所は、以下の4つの取引所があります。それぞれの取引所には、企業の規模や成長段階に応じた複数の市場が設けられています。

日本の証券取引所の構造

証券取引所
東京証券取引所
  • プライム
  • スタンダード
  • グロース
  • TOKYO PRO Market
名古屋証券取引所
  • プレミア
  • メイン
  • ネクスト
札幌証券取引所
  • 本則
  • アンビシャス
福岡証券取引所
  • 本則
  • Q-Board

2. 東京証券取引所の市場再編

東京証券取引所は、従来の市場第一部、市場第二部、マザーズ、JASDAQの4市場が、2022年4月4日に、プライムスタンダードグロースの3市場に再編されました。この再編により、企業の成長段階や特性に応じた、より明確な市場区分が実現されています。

東京証券取引所の3つの市場

東京証券取引所の3つの市場は、それぞれ異なる特徴を持っています。以下の表で、各市場のコンセプトと上場維持基準を確認しましょう。

市場 コンセプト 上場維持基準(抜粋)
プライム市場 プライム市場は、国内外の多くのプロの投資家(機関投資家)が安心して多額の投資を行えるような、日本を代表する大企業向けの市場です。厳しい基準の企業統治(ガバナンス)が求められ、投資家との対話を重視しながら、社会の信頼に応え、持続的に成長していくことが期待されています。
  • 株主数800人以上
  • 流通株式数2万単位以上
  • 流通株式時価総額100億円以上
  • 流通株式比率35%以上
スタンダード市場 スタンダード市場は、日本の株式市場の中核を担う、優れた実績を持つ企業向けの市場です。上場企業として求められる基本的な企業統治(ガバナンス)を備え、安定した成長を目指す中堅企業が多く含まれています。個人投資家にとっても馴染み深い企業が多いのが特徴です。
  • 株主数400人以上
  • 流通株式数2,000単位以上
  • 流通株式時価総額10億円以上
  • 流通株式比率25%以上
グロース市場 グロース市場は、将来的に大きく成長する可能性を秘めた、新しいビジネスや技術を持つベンチャー企業向けの市場です。まだ事業は発展途上かもしれませんが、投資家に向けて事業計画やその進捗状況を積極的に情報開示することで、高い成長性をアピールします。大きなリターンが期待できる一方で、株価の変動リスクも比較的高い市場です。
  • 株主数150人以上
  • 流通株式数1,000単位以上
  • 流通株式時価総額5億円以上
  • 流通株式比率25%以上
ポイント: 各市場には上場維持基準が設けられており、企業はこれらの基準を満たし続ける必要があります。投資家にとっては、企業がどの市場に上場しているかを確認することで、その企業の規模や成長段階、リスクレベルをある程度把握することができます。

3. 名古屋証券取引所

名古屋証券取引所も、2022年4月4日に市場区分を見直し、プレミアメインネクストの3市場に再編されました。東京証券取引所と同様の市場構造を持ち、地域経済を支える重要な役割を担っています。

名古屋証券取引所の3つの市場

市場 コンセプト 上場維持基準(抜粋)
プレミア市場 東証のプライム市場に相当する、地域を代表する優良企業向けの市場です。優れた収益力と健全な財務状況を誇り、多くの投資家から長期的な投資先として選ばれることが期待されています。
  • 株主数800人以上
  • 流通株式数2万単位以上
  • 流通株式比率35%以上
  • 時価総額100億円以上
  • 月平均売買高40単位以上
メイン市場 東証のスタンダード市場に相当し、安定した経営基盤と実績を持つ中核企業向けの市場です。地域経済を支え、個人投資家にも馴染み深い企業が多く含まれます。
  • 株主数150人以上
  • 流通株式数1,000単位以上
  • 流通株式比率10%以上
  • 時価総額5億円以上
  • 月平均売買高3単位以上
ネクスト市場 東証のグロース市場に相当し、将来のプレミア市場やメイン市場へのステップアップを目指す、成長可能性の高いベンチャー企業向けの市場です。積極的な情報開示を通じて、投資家からの支持を得て成長を目指します。
  • 株主数150人以上
  • 時価総額2億円以上
  • 月平均売買高10単位以上又は値付率20%以上

4. 札幌証券取引所

札幌証券取引所は、本則市場アンビシャス市場の2つの市場で構成されています。北海道経済の発展を支え、地域に根ざした企業の成長を支援しています。

札幌証券取引所の2つの市場

市場 コンセプト 上場審査基準(抜粋)
本則市場 安定した事業基盤と収益力を持つ、北海道を代表する企業向けの市場です。地域の経済を支える中心的な役割を担う企業が上場しています。
  • 株主数300人以上
  • 流通株式数2,000単位以上かつ25%以上
  • 上場時価総額10億円以上
  • 純資産3億円以上
  • 経常利益5,000万円以上
アンビシャス市場 「大志を抱く(Ambitious)」という名の通り、北海道にゆかりのある、高い成長ポテンシャルを秘めたベンチャー企業向けの市場です。将来の飛躍を目指す企業を支援することを目的としています。
  • 対象:北海道に関連のある企業
  • 株主数100人以上
  • 公募500単位以上
  • 純資産1億円以上
  • 営業利益が正

5. 福岡証券取引所

福岡証券取引所は、本則市場Q-Boardの2つの市場で構成されています。九州地域の経済発展を支え、地域企業の成長を後押ししています。

福岡証券取引所の2つの市場

市場 コンセプト 上場審査基準(抜粋)
本則市場 九州地域を代表する、安定した経営基盤と実績を持つ企業向けの市場です。地域の経済発展に貢献する企業が多く含まれます。
  • 株主数300人以上
  • 流通株式数2,000単位以上かつ25%以上
  • 上場時価総額10億円以上
  • 純資産3億円以上
  • 経常利益5,000万円以上
Q-Board 九州(Kyushu)の「Q」を冠した、地域発の成長企業向け市場です。九州に根ざした新しいビジネスや技術を持つベンチャー企業を対象とし、地域経済の活性化を担うことが期待されています。
  • 対象:九州周辺に本店又は事業実績・計画を有する企業
  • 株主数200人以上
  • 公募500単位以上
  • 上場時価総額3億円以上
  • 純資産が正

まとめ

証券取引所の仕組みを理解することは、株式投資を始める上での第一歩です。東京証券取引所の3つの市場は、それぞれ異なる特徴を持ち、投資家のニーズや企業の成長段階に応じて選択されています。プライム市場は大企業、スタンダード市場は中堅企業、グロース市場は成長企業と、明確に区分されているため、投資判断の際の重要な指標となります。

株式投資を行う際には、企業がどの市場に上場しているかを確認し、その市場の特性を理解した上で、ご自身の投資方針に合った銘柄を選択することが大切です。

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